《MUMEI》

彼女たちは顔を恐怖で引き攣らせ、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。わたしは無邪気に笑いながら、彼女たちを追いかけた。

逃げ惑うブス。

追いかけるわたし。


「アラアラ、どーしたの?そんなに泣いちゃってぇ!ブスがもっとブスになるわよォ〜!!」


ひとりのブスの髪の毛を掴み、身体ごと引きずり回しながら、他のブスどもを追いかけた。

わたしの気が済むまで、頬を叩き、キックをかまし、まるでオモチャのように、ブスたちを扱った。


「わたしはね、あんたたちとは格が違うのよ!気安く声かけんじゃねー!!」

「きゃー!!いやー!!」

「たすけてー!!」

「ごめんなさいィィッ!もうしませんからぁっ!」


泣きながら許しをこうブスたち。

彼女たちの顔をひとつひとつ見おろして、

聖母のようなほほ笑みを浮かべる。


「ゆるさない☆」


ブスたちは恐怖のあまり、卒倒した。




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