《MUMEI》 . ブスをひとりひとり縛り上げて、わたしは額の汗を拭った。 「あ〜、いい汗かいた!」 ……さーて。 このブスたちをこのまま帰したら、わたしの本性をバラしかねない。 だ・か・ら! わたしは手初めに、近くに転がっていたブスをひとりだけひょいと抱え、屋上の鉄柵に近寄っていく。 ブスは真っ青になり、暴れるがわたしの縛り方はカンペキなので、手も足も出ない。 わたしはブスを担いだまま、鉄柵に足をかけ、下を見る。 4階建ての校舎。 地面までの距離はけっこうある。 「……ここから落ちたら、痛いじゃ済まないよねぇ?」 ボソッと呟いてみた。 ブスは涙をこぼしながら、ごめんなさ〜い!と叫んでいる。後ろで身動きがとれなくなっている他のブスたちも。 . 前へ |次へ |
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