《MUMEI》
キミ・ハ・ムテキ?
.


何度も言うけど、わたしは生粋の美少女なのよ!!
みんな、わかってないみたいだけど!!!


それゆえに、今までこうむったトラブルは数知れず。


今日みたいな呼び出しなんて日常茶飯事。

珍しくもなんともない。


あるときなんて、知らない男のひとが包丁持って『俺と一緒に死んでくれっ!!』って駆け寄ってきたから、延髄斬りをお見舞いしたんだけどね!


………。

まあ、そんなこんなで。

命に関わるようなこともあったから、ある程度、自然と身についた。



今となっては、わたしは無敵!!

向かうところ敵はナシ!!



さすが、わたしっ!!



腰に手をあてて、アッハッハ!!と大声出して笑っているわたしの背後から。


「いや〜、スゲーもん見ちゃった!」


聞き慣れた、あの、伸びやかな男の声が。


「生まれて初めてみたよ、俺」


青ざめたまま、わたしは恐る恐る振り返る。


「女が、上段廻し蹴りキメたところ」


…………どうして!?


後ろにいつの間にか立っていた義仲は、目を細めて美しくほほ笑んだ。


「さっすが俺のオンナだね、璃子ちゃんは」





…………てっ!!


て、てて、敵襲ぅぅぅぅ!!!!!!





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