《MUMEI》

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体育座りをしながら、わたしはチラリと隣に目をやった。

そこには大の字に寝っ転がった義仲がいる。


わたしはチッと舌打ちした。



よりによって、

コイツに………。



義仲がわたしの視線に気づき、ん?と首を傾げる。
呑気な彼の様子を見て、わたしは疲れ切ったようにため息をついた。
義仲は不満そうに、なんだよー?と言う。

「ひとの顔見てため息つくなんて、失礼だろー!?」


ああ…。

なぜ。

よりによって、コイツに。


義仲はわたしの顔をジーッと見つめて、それからニヤリと笑う。


「それにしてもケッサクだな!さっきの寸劇は」


わたしの肩がピクリと揺れる。義仲は笑いながら続けた。


「もっかい見てー!!こんどはバックスピンキック!!」

ギャハハッ!!と楽しげに笑う義仲に、わたしは本気でうんざりした。




どうして、よりによって、コイツに


あの、見事な廻し蹴りを見られたのか……。




………がっかりしてしまう。


だって。


義仲に見られたっつーことは。


コレをネタに、オモチャにされること決定なのよーーー!!!!!


………うわぁぁぁんっ!!!


最悪〜〜〜〜!!


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