《MUMEI》

わたしたちが闊歩したら、そりゃもう一般人はビビるでしょうね!!



ふふん!とひとりで優越感に浸っていると、


−−−−ドンッ!!



「ぶっ!!」



義仲が突然立ち止まったので、玉突き事故のように、わたしは彼の広い背中にぶつかった。


……わたしの唯一の、ウィークポイントがっ!!

また鼻血が出たらどーすんだよ!!


優しく鼻をさすりながら、義仲を睨みつける。

「ちょっと、急に止まらないでよ!!」

怒ってから、気づいた。


わたしたちの周りに、いつの間にか生徒たちがいなくなっていたこと。



−−−そして。



わたしがいるところから、少し先に、

遠目でもわかる、あの黒いセルフレームのメガネがトレードマークの……




謎の青年教師−−川崎先生が立っていることに。





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