《MUMEI》 第三章 ホントウノコト「──えっと‥、じゃあまずは‥」 「菜畑君に来てもらわないとだよね──」 「うん」 けど、いきなり呼び出す訳にはいかない。 「取りあえず、屋上に来てもらおうよ」 「どうやって‥?」 「来てって言えば来てくれると思うよ?」 「‥そうかな‥」 「あたしも手伝ってあげるから。ね?」 「うん──‥」 ミドリに背中を押されて、私は菜畑君の席に向かった。 菜畑君は、私達が来た事に気付くと──鬱陶しそうに溜め息をついた。 「──何か用か」 「あのね‥、屋上に‥来て欲しいんだけど‥」 「屋上‥?」 「確かめたい事があるの」 「──僕は覚えていないと言ったはずだ」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「ちょっと来て」 「!? おい石井‥」 前へ |次へ |
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