《MUMEI》 . 義仲はじっと川崎先生を睨みつけていた。いつもとは打って変わって、冷たい目で。 そういえば。 この前の《無理チュー事件》のときも、なんか知り合いっぽかったし、険悪な感じだったかも。 ………ん? 待てよ…? もしかして、わたし、また巻き込まれてるっ!? 「ホント、うぜぇ。マジ目障りなんだけど」 先に口火を切ったのは義仲だった。 わたしはギョッとする。 この義仲が、なんだか、いつものアホっぽさが感じられなくて。 なんていうか………。 ………別人、みたいな。 川崎先生は、黙っていた。レンズの向こうがわから、ただ無感情な瞳をこちらへむけて。 義仲が唸るようにつづけた。 「どうでもいいから、今すぐ消えろ!こんなチンケな奴を俺につけるなって、オヤジに伝えろ」 川崎先生はフッと儚くため息をついた。 「遊びも大概にしてください」 ………なんのことだろう? このふたりの話は、いつも脈絡がなくて、真意が読めない。 . 前へ |次へ |
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