《MUMEI》
迷惑な来訪者たち
義仲は忌ま忌ましそうに、舌打ちをした。


「なに?宗一、おまえ俺に命令すんの?」


ソウイチ?

川崎先生の名前だろうか。


それにしても、この関係は異常だ。

なぜ、目上であるはずの川崎先生が、ただの高校生である義仲に、こんなにも気を遣うのか。

それに、いつもならヘラヘラしてる義仲が、なんかマジにキレちゃってるんですけど〜っ!!


先生は憶することなく、ゆるりとひとつ、瞬いた。


「時と場合によれば」


サラリと答えた川崎先生に、義仲はイラッとしたようだった。


「テメェ、宗一!!いい加減に……」



ものすごい剣幕で義仲が先生にくってかかったときだった。



−−−バリバリバリバリバリバリッ!!!



カミナリのような破裂音。

鼓膜が破れそうなほどの爆音が、聞こえてきた。

あまりの喧しさに、わたしは耳をふさぐ。


なにこれ!?

なんの音ッ!?


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫