《MUMEI》 迷惑な来訪者たち義仲は忌ま忌ましそうに、舌打ちをした。 「なに?宗一、おまえ俺に命令すんの?」 ソウイチ? 川崎先生の名前だろうか。 それにしても、この関係は異常だ。 なぜ、目上であるはずの川崎先生が、ただの高校生である義仲に、こんなにも気を遣うのか。 それに、いつもならヘラヘラしてる義仲が、なんかマジにキレちゃってるんですけど〜っ!! 先生は憶することなく、ゆるりとひとつ、瞬いた。 「時と場合によれば」 サラリと答えた川崎先生に、義仲はイラッとしたようだった。 「テメェ、宗一!!いい加減に……」 ものすごい剣幕で義仲が先生にくってかかったときだった。 −−−バリバリバリバリバリバリッ!!! カミナリのような破裂音。 鼓膜が破れそうなほどの爆音が、聞こえてきた。 あまりの喧しさに、わたしは耳をふさぐ。 なにこれ!? なんの音ッ!? . 前へ |次へ |
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