《MUMEI》

「どうぞっお召し上がり下さいっ☆」

「‥‥‥‥‥‥‥」





茨姫が、

スプーンを受け取った。





警戒しながら、

ちょっとだけ掬う。





「──ほんまに毒入ってへんやろうな‥?」

「だから入ってませんって‥」





そんなに警戒しなくても‥。





「‥何で苺使うたんや」

「ぁ‥そのっ、お嬢様のイメージをっすね──」

「‥イメージて何やねん」

「是非お嬢様に召し上がって頂きたくて──」

「‥あたしのどこが苺やねん」

「ぃゃ、ほんとは薔薇なんすけど──」

「‥トゲトゲしいて言いたいんやろ‥?」

「いえっ、『茨姫』でらっしゃるので、それで‥」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫