《MUMEI》 . なに? このふたり。 入学式のときから、ヘンだとおもってたけど…………。 ………知り合い、なの? 川崎先生は呆れたように、力無く首を横に振る。 「俺たちは、《カタギに迷惑かけない》っていう掟のもとに働いてますから」 …………カタギ? なにそれ?やくざドラマ?? ああ。そうね。 『ご○せん』とか、『任侠ヘ○パー』とかソッチ系のドラマ流行ってるもんね。 なんて、適当なことを考えていると。 義仲が川崎に向かって、フッと優しくほほ笑んだ。けれど、その瞳は凍てついた氷のように冷たかった。 彼は黙って、わたしの身体をグイッと引き寄せる。 「じゃ、璃子ちゃんがカタギじゃなくなれば、文句ないんだよなぁ?」 カタギじゃなくなる? どういうこと?? すべてを理解する、そのまえに……。 わたしの唇が、温かい《なにか》でふさがれた。 −−−−−義仲の唇だった。 . 前へ |次へ |
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