《MUMEI》 「凄い収穫じゃん、それっ」 「‥でもね、菜畑君が覚えてるのはそれだけで‥、だから私の事は‥本当に覚えてないみたい」 「───────」 ミドリは腕組みをして、唸り出した。 「じゃあ、その桜のとこに行ってみたら‥?」 「でも‥あそこは京都だよ‥?」 「京都だろうとどこだろうと──行ってみなきゃ始まんないでしょ?」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「金曜の夜に出れば、土曜の午前には着くし──あたしも一緒に行ってあげるからさ」 「‥いいの‥?」 「サクヤ迷子になると大変だし」 「──ありがとう──」 前へ |次へ |
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