《MUMEI》

「もっ‥申し訳ございませんお嬢様‥」

「‥阿呆‥‥‥」





涙を拭きもしないで、

ヤケになったみたいにババロアを頬張るお嬢様。





「──っ‥」





空になったカップを床に置いて、

立ち上がる。





「──あんたみたいな男は‥初めてや」

「ぇ」

「‥あんたみたいにド阿呆で‥ヘタレとって‥しつこくて‥お節介な男は‥‥‥初めてや」

「ぁ‥どもっす」

「‥けなしとるんじゃボケ」





すかさず突っ込んできた茨姫。





「‥本気でかかって来ぃ」

「ハイ‥?」

「‥本気であたしを負かしてみぃ」

「ぇ、あの‥」

「‥あんたが勝ったら信じたる。あたしが勝ったら諦めぇ」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫