《MUMEI》 「もっ‥申し訳ございませんお嬢様‥」 「‥阿呆‥‥‥」 涙を拭きもしないで、 ヤケになったみたいにババロアを頬張るお嬢様。 「──っ‥」 空になったカップを床に置いて、 立ち上がる。 「──あんたみたいな男は‥初めてや」 「ぇ」 「‥あんたみたいにド阿呆で‥ヘタレとって‥しつこくて‥お節介な男は‥‥‥初めてや」 「ぁ‥どもっす」 「‥けなしとるんじゃボケ」 すかさず突っ込んできた茨姫。 「‥本気でかかって来ぃ」 「ハイ‥?」 「‥本気であたしを負かしてみぃ」 「ぇ、あの‥」 「‥あんたが勝ったら信じたる。あたしが勝ったら諦めぇ」 前へ |次へ |
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