《MUMEI》 . 川崎先生のその噂、義仲は知ってるのかな。 つーか、あいつどこ行ったの………? わたしはハッとする。 おもい当たるフシがひとつだけ、ある。 そうして窓に張り付いた。 遠くに見える、校庭。 今となっては、暴走族に占拠されてしまったそのグラウンドに、見覚えのある姿があった。 高等部の制服を着た、 すらっとした長身の 男子生徒−−−−−−。 「義仲っ!!」 あいつは、ホンモノのバカかぁっ!? 暴走族の群れに飛び込んで行くなんて! 命知らずにもほどがあるっ!! いても立ってもいられず、わたしはその場から、走り出した。 義仲がいる、校庭へ向かって。 ****** 前へ |次へ |
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