《MUMEI》 猪俣…〆華…牡丹… 通用口から外に出た三人の前に、静岡県警のパトカーが停まっている。 猪俣は牡丹の前に向き直り、深々と頭を垂れた。 傍らでは、〆華……… いや…一人の女に戻った加奈子が静かに佇んでいる…。 その口元は僅かに震えていた。 まるで何かの想いを伝えようと、葛藤しているようでもあった…。 『義兄さん…………』 やっとの思いで搾り出した声の後に… (姉さんのために"死"にゆくより…… …私のために……………………) …その先の言葉を告げることはできなかった…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |