《MUMEI》 スキンヘッドはグイッと義仲の顔を引き寄せて、唾が飛び出しそうな勢いで怒鳴り出した。 「このクソガキ!痛い目みねぇとわからねーのかっ!!」 固く握りしめた拳を振り上げた。 わたしは両手で顔を覆った。 −−−−殴られる!! だれもがそうおもった、そのとき。 …………奇跡は起きた。 −−−−−ズダァァンッ!! グラウンドに沈んだのは、義仲………… ………ではなく、スキンヘッドの方。 義仲は無傷のまま、倒れこんだ男のまえで仁王立ちしていた。 一瞬、さっき起こった出来事が、理解出来なかった。 わたしは必死に記憶を巻き戻す。 スキンヘッドが拳を振り下ろすまえに、義仲の拳が、ものすごいスピードで男の顔面に吸い込まれていったのだ。 ……なに? なにが、起こったのっ!? 完全に気絶しているスキンヘッドを見下ろし、義仲は不満げに鼻を鳴らした。 「クソ弱ぇな…」 . 前へ |次へ |
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