《MUMEI》
ウォンテッド
.

義仲は転がった木刀を拾いあげて、


地面にうずくまったリーゼント頭をめがけ、


躊躇いなく、それを振り下ろした。



−−−−−ゴッ!!



完全に動かなくなったリーゼントの頭部からは、

どくどくと、目にも鮮やかな赤いものが流れていた………。



みんな、息をのむ。

背筋に冷たいモノが流れる。



し…んと静まり返ったグラウンドの上、


義仲がユラリと身体を反転させた。


そして、不良たちをひとりひとり、睨みつけながら、



低い声で、なんだよテメェら、と呟いた。



「どうした?俺を、探してたんだろ?」



一瞬、時が止まる。



わたしもぽかんとした。



……………なに?



だれを探してたって………?



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