《MUMEI》

「 首を切断されている 」

「分かりますよ、僕も見てますから」


「頭は?」


「探しています」


「ちょ、よく見れますね」


「死体は人を殺したりしないでしょう

―――――鉈かな?」
草加弥生は首の切断面の写真を観察する。



情報を詳しくホームレスから聞き出そうとした矢先のことだ。

指が一本ないことですぐに分かった。




「首のない死体ってどうしてこんなにおどろおどろしいんですかね。
平賀さんに昔聞いた事件も、なんか戴けませんでしたよ。」


「平賀さんが?
犯人捕まったの?」


「だから話しているんでしょう。」


「……そう」
後で聞いてみようと思う。彼女は切り取るという心理に興味を示した訳ではなかったが平賀の見解が聞きたいと思った。

「草加さん今日元気すね、いっつも苛々してるから珍しい」

「五月蝿いよ」
弥生の眼光が鋭さを増した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫