貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》外れた世界 その5
昼を少し回った頃だろうか。 マルクスさんが僕の家を尋ねて来た。「よう、ヱグザス。元気だったか?ん?」「三日前に会ったばっかりじゃないですか。元気に決まってますよ。」といった、いつもの挨拶を交わす。「そういえば、リディアが今日の仕事は休みます、って言ってましたよ。」マルクスさんは顔をしかめた後に言った「まぁ、たまにはそういう日もあるさ。」出来たてのコーヒーをカップに入れて机まで持っていく。白い陶器に注がれた液体の香りが室内に漂う。「飲みませんか?マルクスさん。」「いや、コーヒーは妻が入れてくれた物じゃねえと飲まねぇ主義なんだ。」今回は自信があったのに。残念だ。しかしマルクスさんも妙な所で頑固だな。妻の入れてくれたコーヒーじゃないと飲まないって‥‥‥。 「なんか言ったか、ヱグザス。」「いや、何でも無いです。」危ない危ない。聞こえる所だった。 「そういえば、何でまた今日は僕の家なんかに来たんですか。」コーヒーを啜りながら僕は聞いた。マルクスさんは急に深刻な顔付きになり、言った。「実はな、最近この辺りの村を嗅ぎ回ってる奴等がいるらしいんだ。何かと物騒なご時世だし、無理にとは言わん。お前に村を守ってもらいたい。」
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