《MUMEI》
廊下でのやりとり
[そうなのか?]


二人に続いて、俺も忍を見つめた。


忍がエイミーについて知っていたのは聞いたが、会っていたとは知らなかった。


(だとしたら、まずくないか?)


忍の素性が


俺と春日家が何らかの繋がりがあるかもと、気付かれたらまずいと思った。


[いいえ、初対面です。こんな可愛いお嬢さんにそんな事を言われるのは、嬉しいですけど]

[か、可愛いだなんて…]


忍の嘘の笑顔とお世辞に素直に反応するエイミー


[…何か、女慣れしてそうな彼氏だけど、大丈夫?]


本気で俺を心配して、小声で質問してくるアルフ


[それより、ゴミ出し行かないと]


俺は、苦笑しながら話題を変えた。


実際、これ以上話し込むと、ゴミ出しに間に合いそうも無かった。


「おはよう、賑やかだね」

「おはようございます」

「おはよう、ユーキ」

「はいはい、おはよう。忍さんと、アルフもね」


そして、俺とエイミーは、屋代さんを追いかけるようにゴミ出しに向かった。


忍とアルフはその後すぐに別れたらしく


俺とエイミーは、誰もいない廊下で別れ、それぞれの部屋に入った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫