《MUMEI》 「……先生は、旧水上堂ですよね。」 少年にはまだ舞った花の残り香がした。 「松子は……、どうしたんだ。君が舞っていたということは松子は居ないということだ。」 昨日は晩くまで最終日の水上姫の舞の練習で堂に居た筈……まさか、 「松子さんは病でした、薬を取りに家に戻って居たんですよ……昨夜は先生を殺そうとしてた会議中だったでしょう。」 「だからと謂って松子が居なくなる理由にはならないだろう。」 「松子さんと愛し合ってましたよ。まるで首塚斬士郎の唯一愛した艶子との関係のように。」 松子が?まさか、あんな卑しい男と…… 「二人は夫婦でしたから。」 彼が嘘をついているようには見えない。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |