《MUMEI》 ボールが中央の、サークルの中心に置かれた。 それに向かい合う智哉と俺。 「言っとくが手加減はせぇへんからな?」 「分かってるよ。 俺だってそのつもりだ。」 智哉はこの倶楽部の副キャプテンになるほどの実力だ。 決して舐めては掛かれない男。 お互いボールから目を放さずに数秒間。 審判のコールがけたたましく鳴り響いた。 「っらあ!!」 「っく!!」 コールと同時に、智哉が素早くボールを奪い去る。 俺の右斜め後ろにいた奴は、もう既に抜かれていた。 畜生!! 慌てて智哉を追いかけた。 「ちょいまてや!!」 「待てるか!!」 二人並んだ所で、壮絶なボールの奪い合いが始まる。 っのやろ!! スライディングでカットした。 よし、反則のコールは鳴らない。 来た道と逆方向へ体を向けた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |