《MUMEI》

「ねぇ、二人は決まった?」

「ぁ‥うん」

「──あれ、菜畑‥何それ」

「果実の乾物‥らしい」

「へぇ、そういうの好きなんだぁ、変わってるね──」

「‥失礼だな」

「そ‥そういうつもりじゃないんだけどなぁ‥」

「──‥まぁいい。とにかくこれで用は済んだだろう」

「ねぇ、菜畑って家どこ?」

「家‥?」

「うん、住所とかまだよくあたし達知らないし」

「三丁目だ」

「じゃあサクヤと同じじゃん」

「‥此花と‥?」

「丁度いいからさ、二人一緒に帰ったら?」

「ぇ!?」




 私は、驚かずにはいられなかった。 ‥まさか、ミドリがそんな事を切り出すなんて。




「ミドリ‥ちょっと待って」

「そういう事だから、あたし先行くねっ」

「ぇっ‥ミドリ‥!」

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