《MUMEI》

人知れず、白目をむきそうになっているわたしの耳に、



ふたりの会話が聞こえてくる。



「あんたが、ヘッド?」


義仲が、幾分落ち着いた声で尋ねた。サングラス男は頷く。

それを見てから、義仲はチラリと周りの不良たちを見回した。


「そんで、俺になんの用?」


静かに尋ねると、ヘッドは淡々と答えた。


「俺らのボスから命令されてね。おまえを拉致って来るようにってな」



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