《MUMEI》

その答えを聞いて、義仲はなにか納得したようだった。ふたたびヘッドを睨みながら言う。


「……テメェらのボスって、オヤジの商売敵か?」


ヘッドは笑う。


「最近、おまえのオヤジが俺らのボスのシマに手を出したから、気にくわねえんだよ」

「オヤジの仕事と、俺は関係ない」

義仲がきっぱりと言い放つと、ヘッドは首を左右に揺らし、コキッコキッと骨を鳴らす。

「知るか。ボスの命令は絶対なんだ」

平然と返したヘッドに、義仲は押し殺したような声で唸った。

「ヤクザのイヌが、ぬかせ」

義仲を見据えてヘッドはフンッと鼻を鳴らし、仲間を振り返った。

「さっさと終わらせようぜ!!ボスがお待ちだ!」



その呼びかけを皮切りに、

不良どもが唸り声をあげながら、一斉に義仲に向かって飛び掛かる。



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