《MUMEI》
第一章 意気投合
教室中に笑い声が響く。

「あんた、昨日ちょーうけた。まじ最高だわー。」

優子が歯を剥きだしにして笑っている。
ぶっちゃけあんた今やばい顔してますよ。

「てかさー誰のせいだと思ってんの?毎度毎度さー。」

私は机を思いっきり叩いた。そんな様子を優子が写メる。

「でもさー、あんなシーンってなかなか見られないと思うわけ。もう怜、あんた神だよ。」

私は言い返す代わりにクルクルと巻いた茶色の髪の毛を思いっきり引っ張る。
優子が悲鳴を上げた。

そんなうるさい二人にぞわぞわとクラスの女子が集まってきた。

「怜また何かしでかしたのー?」

クラスで一番のモテ子の綾音が聞いてくる。

「ちょっと、私が問題児みたいないい方すんのやめてくれる?」

私は睨みつける。
優子は構わず話し出す。

「実はさー、昨日合コン行ったんだけどー、そんなかに並の上の男子がいたわけ。そいつ怜狙いでさー…でも攻め方キモイわけよ。そこで怜が…………コップに入ってたコーラをそいつにかけてくれましたー。」

一気に笑いが起こる。中には笑いすぎて呼吸困難になる人もいた。私にとっては迷惑極まりない。

女子の集まりのうるささに飽き飽きしていると、背後に嫌な気配を感じた。

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