《MUMEI》 ――― 終焉『加奈子……世話になったな…。 …元気で暮らせ……。』 まるで加奈子の想いを断ち切るように、猪俣は礼を言った。 そして踵を返して、警官の元に歩いて行った…。 猪俣は警官に事情を説明し、両手首を揃えて差し出した…。 その時、遠くで渇いた銃声が聞こえた…。 それはすぐに川のせせらぎの声に掻き消されてしまった。 だが、その音は加奈子にも猪俣の耳にも確かに届いていた…。 ― 完 ― 前へ |
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