《MUMEI》 帰りのホームルームが終わると、優子は私を呼んだ。 「ねー、やっぱこの後付き合って。」 優子は手を合掌して自分の顔の前に持ってきた。 「いや、いーけど。今日カモにエルメス買ってもらうんでしょ。」 「いや、そーなんだけど。そいつとは、買ってもらった後すぐに分かれればいいからさ。その後、カラオケにでも寄んない?」 一瞬嫌な予感がよぎったが気のせいだろう。 「分かった。いーよ。」 あー…なんて弱いんだろう私は。 前へ |次へ |
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