《MUMEI》

「‥菜畑君」

「‥どうした」

「ごめん‥寝てた?」

「いや、起きていた」

「ミドリはもう寝ちゃったみたいだね‥」

「散々騒いでいたから大人しくなって丁度いい」

「静かな方が好き?」

「‥騒がしいのは苦手だな」

「そうなんだ──‥」

「君も休むといい。向こうに着いたら色々と忙しいだろうから」

「うん‥。菜畑君も休んでね」

「言われなくてもそのつもりだ」

「──ぁ‥そうだよね」




 ‥何だか、頬が熱い。 何となく、心臓も煩い気がする‥。




「‥‥‥‥‥‥‥」

「眠れないのか」

「‥ううん、大丈夫‥」




 深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。




「──おやすみ、菜畑君」

「‥ぁぁ‥‥‥お休み」

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