《MUMEI》

「どういう──事っすか‥?」

「巽屋家にはね、代々家宝が相続されてて──今のその持ち主は玲奈なんだ。それで、執事になりすまして強盗とかスパイみたいな人達が何人も──」

「!?」





なッ‥‥‥

マジかよそれ‥。





「それで、色々怖い目に遭っちゃったらしいんだよね──‥それがトラウマになっちゃったみたいで、ああなっちゃってるんだ」

「ッ‥‥‥‥‥‥」

「桜庭君‥?」

「‥許さねぇ」

「ぇ?」

「ソイツら全員‥‥‥」

「‥‥‥阿呆」

「‥っ!?」





玲奈お嬢様っ‥‥‥。

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