《MUMEI》 ヘッドは後方へ飛びのきバイクを避けて、キツネ男を見る。 そして、サングラスをかけていてもわかるくらいに、思い切り顔をしかめた。 「テメェ、増井!?」 増井と呼ばれたキツネ男は、バイクを喧しくふかしながら、ヘッドを睨みつけた。 「よォ、寺田ぁ!見ないうちに、ずいぶん出世したじゃねぇか!?」 ヘッドは増井の気迫に物おじしたようだ。少し勢いを削がれたように、後退する。 増井はそのスキを見逃さず、さらに言い募る。 「俺のシマで暴れるっつーことが、どんなことかわかってんだろうなぁ!?あぁっ!?」 大音量でキツネ男が叫んだとき、 −−−−ゴンッ!! 「いでっ!」 突然、後ろにいた義仲が増井の頭を拳で殴ったのだ。 . 前へ |次へ |
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