《MUMEI》 「玉流しにはやって来るんですね。」 皮肉にも似た彼の歓待だ。 「……命日だからね。」 三人の峯が死んだ。 晶代(艶子)、松子、貞二の三人だ。 「貴方が来た理由はぼくに謂って欲しいからだ。」 「死人の我が儘は聞くべきだろう。」 そして、四人目は私だ。 「……松子さんの父親は誰ですか?」 「歌一だ。」 ……と、彼女は謂う。 歌一が私が不甲斐無いので可愛がるのだと。 「貴方がそう謂い聞かせる事で追い詰めたんです。」 憐れ、私は人殺しの罪を着せられた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |