《MUMEI》

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ゆっくりとした足取りで、義仲たちに近づいていく、人影があった。



それは、



…………川崎先生だった。



川崎先生は穏やかな瞳を、黒いメガネのレンズの奥からのぞかせている。



義仲も川崎先生に視線を送り、



そして、やっぱり…という顔をしてため息をつく。



「宗一の仕業か」




…………え?


先生のシワザ?

つまり、先生がこの黒い暴走族を呼んだってこと……?




なぜか不満そうな彼の呟きに、増井が、そうなんスよ!と反応し、得意顔で笑う。



「宗一アニキから、坊ちゃんの学校ではじけたバカがいるからどうにかしろって、連絡があったんスよ!」



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