《MUMEI》
イジメっ子とイジメられっ子
ものすごい爆音を響かせて、白いひとたちが姿を消すと、川崎先生はフゥッとため息をついた。穏やかな表情を浮かべ、増井を振り返った。


「面倒かけたな、増井」


ねぎらうと、増井は照れたように笑う。


「こんなの朝メシ前ッスよ!」


いつでも呼んでください!と元気よく答えた。その隣にいる義仲は、そんな増井を半眼で睨む。


「おまえも舎弟連れて、さっさと帰れ。ウザい」


すかさず増井は、ひどいッス!!と悲しげな声で叫んだ。


「俺は坊ちゃんのために…」


メソメソする増井の頭を義仲がグーで殴る。


「坊ちゃん言うな、このリーゼントが」


容赦なく増井をイジメる義仲を見兼ねて、川崎先生が、まあまあ、と二人の間に割って入った。

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