《MUMEI》 しくしく泣いている増井に、先生は言う。 「集会の邪魔して悪かったな。もう帰っていいぞ」 増井は力無く、ウス…と返事して、それから義仲に深々と頭を下げた。 「失礼しますっ!」 増井の挨拶につづき、他の舎弟たちも、失礼しますっ!!と口々に叫んだ。義仲は面倒臭そうに、ハイハイ、と適当に返事をする。 黒い特攻服のひとたちは、バイクに飛び乗り、次々と校庭から出ていった。 最後に増井がバイクにまたがったまま、川崎先生と義仲に会釈して、校門からものすごいスピードで消えた。 バイクのエンジン音も薄れると、 ようやく、いつもの穏やかな学園の雰囲気に戻った。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |