《MUMEI》

 西へ、西へとひたすら進む内‥私は見覚えのある場所に出た。




「サクヤ、どうかした?」

「ここの辺りで‥花を売ってた」

「じゃあ、ここがサク‥、ウヅキの仕事場みたいな感じだったんだ」

「──うん、そんな感じ」




 でも、やっぱりここもだいぶ変わってる。




「丘は見当たらないみたいだな‥」

「‥うん‥」




 もう、開拓されてなくなっているのかも知れない‥。




「サクヤ」

「何‥?」

「丘には桜が立ってたんだよね?」

「うん、そう‥」

「───────」

「とにかく探してみよっ。見つかるはずだから」

「分かった‥」




 探すしかない。 ‥絶対に見つけなきゃ。 あの丘を‥。

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