《MUMEI》 わたしが固まったまま、黙っていると、 義仲が近づいてきて、隠れていた木の陰を覗き込む。 ええ、バッチリ目が合いましたよ。ハイ。 空耳じゃ、なかったんですネ。 トホー……。 義仲は爽やかに笑った。 「水臭いな〜、隠れてることないじゃん。俺と璃子ちゃんの仲なのにィ」 わたしはハッとした。 「どんな仲だよっ!?」 ツッコミを入れる。義仲は可笑しそうに笑い声をあげた。 . 前へ |次へ |
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