《MUMEI》
「それで──ノコノコ帰って来た、って訳ね──」

「仕方ありませんわ、玲奈がそう言ったのなら──。桜庭は正しくてよ？」

「あんた──やけにこいつの肩持つわね」

「ふふ、気のせいですわ」

「──閖子お嬢様」

「どうなさいましたの？」

「小夜子お嬢様」

「何‥？」

「美由お嬢様」

「ん？」

「玲奈お嬢様の事‥教えて頂けますか」

「玲奈の事？」

「あんまり深くまで知ったらヤバいって思うんすけど‥でも、知らなきゃ始まらないような気がするんす‥。駄目っすかね‥」

「──ふふ、わたくし達は貴方の敵ではなくてよ？」

「一応私、玲奈とは幼馴染みだし──」

「あたしも知ってる事教えてあげるねっ♪」

「──ありがとうございますっ」

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