《MUMEI》 「分かった? あんたはあの子にまるっきり嫌われてる訳じゃないのよ」 「ぇ、っと‥つまり‥」 「もっと中身を見なきゃ」 「な‥中身‥」 やっぱ俺‥ 上辺でしか見てなかったんだな‥。 ‥でも‥ お嬢様に素直になって頂かない事にはどうにもこうにも‥。 「桜庭」 「ハイっ‥!?」 「わたくしに──いい考えがありますわ」 「へ‥‥‥いい考え‥?」 何だ‥? 「ちょっとお耳をお借り出来て?」 「ハ‥‥‥ハイ、お貸しいたします‥」 「そっ‥それマジでっ‥つーか‥」 大丈夫なのか‥? そんな事して‥。 「──ふふ、いい作戦だと思いませんこと?」 「ぇぇ‥‥‥」 やっぱマズいっすってそれは‥‥‥。 ぁ‥ 何がマズいかっていいますとね‥? 閖子お嬢様曰く‥‥‥ 俺がお嬢様に認められる為には強くないと駄目らしくて‥。 何でも、 お嬢様は夜独りで寮を抜け出すらしいんだけど‥ その時お嬢様にニセ誘拐犯を仕向けて、 俺が駆け付けて助けるとかいう感じの事らしい‥。 前へ |次へ |
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