《MUMEI》
母は強し
手術前に、見舞いに行ったとき

マミ、やつれてた

お母さん、明るく元気そうだった

母「ノブ君、ごめんね、心配かけて」

信之「いえ、」

母「ノブ君、お願いがあるんだけど」

信之「何ですか?」

母「マミ、連れて帰ってくれない?」

マミ「お母さん!」

母「うるさくって…」

マミ「うるさいって何よ、人が心配して…」

母「心配したからって治るもんじゃないわよ」

マミ「そうだけど…」

母「幸い、早期発見だから、大丈夫よ」
「糖尿悪化して、命拾いしたわ」

あっけらかんと言ってた

マミは不安そうな顔をしてたけど

母一人、子一人だもんな

心配するなはムリだよな

信之「マミの方が病人みたいだよ」

母「そうなのよ、暗い顔して、こっちまで憂鬱になるわ」

マミ「だって…」

あっ、マミ、泣くな

マミが泣き出す前の顔ってわかるんだ

信之「泣くなよ、マミ」
「マミがしっかりしなきゃ、お母さん、安心して手術受けれないよ」

マミ「うん…」

母「ね、暗いでしょ、」

信之「マミ、まだ、体力あるかい?」

マミ「?なんで、私、大丈夫だよ」

信之「じゃぁ、お母さんの手術終わるまで、しっかり付き添いなよ」

「その後、マミが倒れたら、俺が面倒みるから」

母「あら、連れて帰ってくれないの?」

信之「マミ、連れて帰っても、ここに戻って来ちゃいますよ、」
「人一倍、心配性だから…」

母「ノブ君に会えないって泣いてるのよ」
「私のせいみたいに言うんだから」

マミ「な、違うでしょ」
「私だって、我慢してるものあるんだから」
「お母さんも、食事、我慢してって」

母「そうは、聞こえなかったもの」

「知らないわよ、ノブ君に浮気されても」

マミ「えっ?」

母「私のせいじゃないからね」

マミ「ノブは、大丈夫よ…」

母「あら、たいした自信ね、マミ」
「料理も出来ないのに」

マミ「こ、これから、頑張るんだもん」

信之「よかった」
「二人とも、元気そうで」
「俺、そろそろ帰ります」
母「ノブ君、ありがとうね、」
「マミ、そこまで送って来なさい」


病院の駐車場まで、マミが送ってくれた

信之「明後日だよね、手術」

マミ「うん」

信之「マミ、がんばれよ」「泣いちゃ、ダメだよ」
「お母さんが、いちばん辛いんだからね」

マミ「うん、」

信之「じゃぁ、行くよ、俺」

マミ「ノブ…浮気、しないでよ」

信之「当たり前じゃないか、しないよ」

マミ「うん…なんか、ノブ、冷たいんだもん」

信之「マミ」

マミ「んっ……あ…」

マミにキスした

信之「マミ、好きだよ」

マミ「ノブ…」

信之「今は、お母さん、第一でしょ」

マミ「うん、ありがとう、ノブ」

マミに笑顔が少しだけ、戻って来た

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