《MUMEI》

「‥知ってる‥?」




 今、菜畑君は‥ここを知っている=dそう言った。




「菜畑君‥」

「知っている。‥この丘を‥」

「‥記憶‥戻ったの‥?」

「‥‥‥‥‥‥‥」




 菜畑君は答えずに、目を閉じて風の音に耳を澄ませた。




「菜畑、何してんの‥?」

「ミドリ」

「ぇ、何? サクヤ──」

「少し‥待ってみよう」

「待つ?」

「うん」




 どうなるかは分からないけど‥、でもさっき、菜畑君は言った。




『僕は‥この場所を知っている』




 だから‥もしかしたら‥。




「───────」




 もしかしたら、記憶が戻るかも知れない。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫