《MUMEI》
「…で?何しにきたのよアンタたち。」
リンは憮然とした態度でそう言った。
「……お前さ、オレになんか言うことないの?」
頬に湿布を貼る。腫れた…。
「あるわよ、…この痴漢。」
「素敵な性格してるなっ!お前のようなヤツが冤罪痴漢事件を量産するんだぞっ!」
「ありがと、…で、何の用なのよ。加藤」
リンはオレとじゃ話にならないとばかりにタカに話しかけた。
「ん?ああ、僕はケンについてきただけだからね。特に用はないよ?」
タカはのんびりと茶を飲みながら話す。ちなみにオレには出てない。
「…じゃあ、何であんたはここに来たのよ。ケン。」
「だから、遊びにきたんだって。さっき言っただろ?」
至極、真面目に答える。
「それだけ?」
「うん。」
「…町中ゾンビだらけなのよ?」
「あぁ、知ってる。ここに来る途中で見てきたからな。いや〜、えらいことになったなぁ」
ほがらかに話す。
「……それなのになんであんたは普段通りで、しかもあたしの家まで遊びに来てんのよっ!?」
心底、信じられないという顔をした。
「ホントに信じらんないっ!」
口にも出した。
「…誉められてる?」
「…ホントに羨ましい性格してるね。頼もしいよ…。」
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