《MUMEI》

『お前…泣いてる?
のか…』

下から見上げて来る
真っ直ぐな瞳…


『え?』

俺の目から溢れた涙
がニセ花音の頬に落
ちた。


『…ごめん、家の姉
が…その…辛いよな』
ニセ花音が謝ってる


…ってやっぱバカだ
な、コイツ…今から
ヤラレちゃう状況な
のに…俺の心配すん
なよ、立場分かって
んのかよ?…


ははっ…バカは俺の
方か…こんな事した
って和之は戻らねぇ
って分かってるのに


『あーっ!止めた』

俺はニセ花音から
身体を離した。


『??』

ニセ花音はキョトン
として俺を見る。


『お前じゃ和之の代
わりは務まらないか
らな…

但し…この連ドラの
撮影の間は、花音と
して恋人の振りをし
て貰うから

お前が傍にいたら女
避けになるだろ?
アレルギー対策だ!

お前にとっても都合
が良いだろ?男って
バレずに済むから』

そう話し掛けながら
ニセ花音の手錠を外
した。

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