《MUMEI》

◇◇◇




『どういう‥つもりだ‥?』

『これは勅令でございます』




 女房は僕を、内裏の一番奥の部屋に閉じ込めた。 ‥それは、帝の勅令だと‥‥‥そう言っていた。




『‥少しでいい‥時間をくれ。‥行かねばならない場所がある』

『なりません』

『約束をした。‥大切な約束なんだ』

『‥‥‥黄羽様、貴方様は民とは違うのです。──貴方は次期帝として‥』

『出してくれ‥‥‥頼む』

『‥ご理解下さい』

『っ‥‥‥‥‥‥』




 どう足掻いても、僕はそこから出る事は出来なかった。




 ‥約束を、破ってしまった‥。




◇◇◇

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫