《MUMEI》
志貴の衝撃発言
「時計見せて!」

「な、…」


『何で』と言う前に、志貴が俺の左腕を掴み


左手首につけた、忍からのプレゼントの時計を確認した。


「サイズ大丈夫ね、さすが私」

「…は?」


(何でそこで志貴?)


何度も頷く志貴を、俺は首を傾げながら見ていた。


「だって祐也の左手首のサイズ教えたの私だし」

「え! 志貴、忍と交流あったのか!?」


(いつの間に!?)


俺はかなり動揺していた。


[おーい、俺達、ていうか、エイミーの存在忘れるな]

「日本語で喋りなさいよ」

「あ、エイミーです」

「はじめまして、頼の親戚の志貴です。…頼と違って素直でいい子ね」

「エイミーが素直でいい子なのはいいけど、俺と違ってって?」

「そのままの意味」

「ヒデー」


(まさか志貴と忍がやりとりしてるなんて…)


その事で頭がいっぱいだった俺には、他の三人の会話は届いていなかった。


「ちゃんと説明するから、そろそろ現実に戻ってきたら?」

「今日は前部長も来るし」

そして俺は志貴の『ちゃんと説明』よりも


頼の『部長が来る』に反応して、顔を上げた。

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