《MUMEI》

私の頭を撫でていた手がクシュクシュと髪を掻き上げ、ギュッと私のことを抱きしめてきた。

「もう、ダメぇ……くっ…げんか…いィ///」
「こっちも…だ…」

私も彼の身体を力一杯抱き寄せると、腰を抱き寄せて限界までガンガン突き上げていった。

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

酔いも醒めて服に着替えると、気分を落ち着けようと思ってベランダに出て庭いじりをしていた。

さっきまで克哉さんと布団の中で一緒に横になっていた。

優しく笑いながら僕の髪を撫でてくれていたのも嬉しかったけど、何だか僕にはもったいないような気がして…気が引けてしまう。

「あきら…」

克哉さんが心配そうな顔でベランダに居る僕に話しかけてきてくれた。

「あ…克哉さん……眠れませんでしたか、すみません」
「いいや…何か不満な事でもあるのか…と思ってね」

不満なんてあるワケ無い。

でも、不安だらけでどうしていいか…分からなかったから。

「…あの…聞いてもいいですか?」
「何でも…どうぞ」

気になってたけど聞けなかった事を、一歩踏み出して聞いてみる事にした。

「あの…克哉さんって…同性愛な人なんですか?」
「……ぁ〜…」

そう言った途端、やっぱり聞いてはいけなかったのか、克哉さんは手で顔を覆って外人さん特有の困ったというポーズをしていた。

「ごめんなさい…やっぱり…」
「いや、聞いてくれ実は…」

克哉さんが言うには、過去には克哉さんも女性と付き合った事もあるんだけど、僕に出会って変わったんだとか…。

その後は、僕がどれだけ素敵か、とか、どんな所に惚れたんだ、とか、こっちが恥ずかしくなってしまうぐらいいっぱい話してくれた。


でも、そんなに言って貰えば貰うほど…心が苦しくなってくる…。


そんなんじゃない…僕は……。
  

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