《MUMEI》

部屋にある洗面台で手を洗うと、ちゃんと寝巻きを着てベッドに飛び込んで毛布を頭までかぶった。

(先輩の指…長くて綺麗で……気持ち良かったな)

先輩にあんな恥ずかしい事されちゃったのに…その事がこんなに忘れられない。

はるちゃんにも色々な事を教えてもらって、俺の色んな姿を見せて、色んな事されて悦んだりして…。

俺って…すごくエッチな子なのかな。




そういえば、俺が入れた指は何でこんなに痛かったんだろう…先輩の指が入ってった時は「んん〜っ」ってカンジから、だんだんと気持ち良くなっていったのに。


ふと…あの、湯船の中でのぼせて気を失う瞬間、お尻の下にあった固いものを思い出した。


(…もしかして…そんな…まさか///)


先輩は俺に男の子同士でのセックスの事を教えてくれた…それで、興奮した先輩は失神した俺の身体を弄んだんじゃ…。


(そ…そんな…俺、初めてだったのに…俺が寝ていたウチに…そんな///)


はるちゃんにも許して無かったのに…。

はるちゃんは俺が許してもしてこないだろうけど…。


初めては…いつか現れる大好きな人の為に…すごく大切にしてたのに…。


(先輩…大人なカンジだったし…多分3年生かな…)


顔も優しそうだったし、色々としてくれて親切で格好よかったけど…。




「うっ…うくっ…ふえぇぇん…はるちゃぁあん///」

優しそうな顔して…そんな事を俺にしてきた先輩も許せなかったけど、すぐに逃げ出さなかった自分も許せなかった。

そんな時、はるちゃんに抱きついていっぱい甘えて、俺をなぐさめて欲しいのに…こんな日に限って俺を抱きしめてくれる大好きなはるちゃんがいない。



俺のわんわん泣いてる声を聞きつけて隣の部屋の友達たちが来てくれたけど、何を聞かれても俺は頭がグチャグチャで胸が苦しくて「はるちゃん…はるちゃん…ι」としか言えなかった。

俺がはるちゃんが居なくて寂しがっているんだろうと心配したみんなが、抱っこしてくれたり頭を撫でてくれたりしてなぐさめてくれた。


そんな優しいみんなの暖かな腕の中で、俺はだんだん泣き疲れていって…いつの間にかみんなの腕の中で眠ってしまっていた。

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