《MUMEI》

信之「頭では、わかってるんだ、」
「普通に、そういう事、話せるようにならなくっつゃって」
「そう言うのも、全部引っくるめて、今の、マミがあるんだもんね」

マミ「…」

信之「マミ、隠さず、正直に言ってくれて、ありがと」

「嫌な思いさせちゃったね」

マミ「自分が、してきた事だから…」

信之「俺、マミを独占するよ」
「これだけは、譲れない」
マミ「うん、独占させてあげる」

高飛車な言い方だったけど、甘えたような、仕種で、ちょっと、恥ずかしそうに言った

マミ「今度は、わたしの番だよ」

信之「ん?」

マミ「質問に答えてね」

信之「うん」

俺、たいして、何もないけどなぁ

マミ「ノブ、風俗遊びって、頻繁だったの?」

信之「…東京に居るときはね…」
「覚えたてのサルみたいに、夢中だったかも…」

「給料のほとんどを、使ってたなぁ」

マミ「…そっか…」
「プライベートで、店の娘と、って、ある?」

信之「ない、ない、」
「有るわけないじゃん」

マミ「店以外は、香澄だけ?」

信之「そうだよ」

マミ「ノブ、自分の性癖とか、理解してる?」

信之「?…」

マミ「悪いとは思ったんだけど、隠してあったDVD…見ちゃったの」

信之「あっ…」
「捨て損なった…」

マミ「捨てなくても、いいけど…」

「ノブ、私で満足してる?」

信之「うん」

マミ「ホント?」

信之「セックスだけじゃ、たぶん、俺、飽きると思う…」

「マミと、こうなる前に、こっちに来てからだけど、ソープ行ったんだ」
「…」
「スゲー気持ちよかったけど、」
「何か、違うって感じた」
「愛しさとか、思いやりとかが、重ならないと」

「満足、出来ないんだよ」
「香澄には、悪いけど、愛しさなんか、なかったから」

マミ「性欲を満たしただけ?」

信之「捌け口だったんだと思う」

「ストレスや、性欲の…」
「最低だよね」

マミ「私は、捌け口になってた女だよ」
「色んな男の」

信之「関係ないよ」
「だって、マミと一緒に居ると、楽しいし、」
「頑張ろうって思えるし」
「何より、愛おしくて…」
「俺、女とちゃんと付き合った事、ないけど」
「こうやって、色んな事、話せる異性って、」
「そう、居ないよ」

「みんな、かっこつけて、色んな物、隠して」

「それが、悪いとは、思わないけど」

「もっと、違う何かを、見つけられた気がしてるんだ、今は…」

マミ「もし、ノブがモテモテになったら?」
「女の子、選び放題になったら?」

「私を、選ぶかなぁ?」

信之「たぶん、選ぶんじゃないかな」

「正直、マミの身体も大好きだけど」

「一緒にテレビみてても楽しいし」
「飯食ってるだけでも、楽しいんだ」


マミ「うん、」

「最後の質問ね」

「アナルセックス…」
「好きなの?」

信之「…」
「うん、…好きだと思う…」

マミ「…そっか…」

マミが下を向いた

信之「…」

マミ「リオが、ノブに会いたがってるんだけど」

急に話題がとんだ

信之「リオが?」
「何で、?」

マミ「私の、昔の知り合いに、会うの嫌なら、断るよ、」
「不愉快な事も、あるだろうし」

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