《MUMEI》

信之「マミが大切な友達なら、会っても平気だよ」

「不愉快になったって、たいした問題じゃないよ」

「ただの、知り合いってだけなら、」
「遠慮したいけど」

マミ「うん、」
「わかったわ」
「リオにも、理解してもらわなくっちゃ」
「全て、仲良しじゃないからね」

「私も、昔のお客とかには会いたくないから」

ノブ「でも、何だろうね」
マミ「この前の、お礼がしたいんだって」

信之「たいしたこと、してないのに、」

マミ「あーぁ、なんか、全部話したら、気持ちは楽になったけど」
「…嫌われたかなぁって…」

信之「んな訳ないでしょ」「俺が、マミにヤキモキするのはわかるけど」
「マミ、何で、そんなに?」

マミ「何でって…」

信之「俺なんて、どこにでもいるような、普通の奴じゃん」

「マミは、スペシャル美人だし」
「もっと、磨かなくっちゃマミ、取られちゃうからなぁ」
「会社の奴とかに…」

マミ「たいしていい男、いないよ、会社に」

信之「ホントかなぁ」

マミ「私は、モテるけどね」

信之「…」

マミ「意地悪言うなら、仕返ししちゃうから」

信之「意地悪じゃないよ」「マジ、不安になるときもあるよ」

マミ「私だって同じだよ」「本社の受付嬢とかと、何か有るんじゃないの?」

信之「俺、そんなにモテないよ…」

マミ「…」
「ノブ、明日、仕事、早く終わるんでしょ?
ここに行って」

何?美容室?

マミ「高橋って、女の人に頼んであるから」

マミ「ノブ、貴方、わかってないよ…」
「自分の事…」

信之「?…」

マミ「今日は、エッチしないで帰る」
「今、すると、私も暴走しそうだから…」

暴走?

マミ「ノブ、ちょっとづつ、理解しあって行こうね」
信之「うん」

マミ「私が、不安なのは、」
「ノブ、」

「貴方に本気だからだよ」
「振られるのが、怖いの」
「捨てられたら、」
「気が狂っちゃうかもしれない」

「セックスは沢山したよ」
「客とも、肌を合わせた」
「けどね、」

「こんな気持ちは、初めてなの」

「私の、全部を、ノブに渡したら」
「…ノブが、居なくなったとき…」
「私、きっと壊れちゃう」
信之「マミ…」

マミ「重たい女でしょ…」
信之「重たい方がいい」
「マミの、全てを受け止められるように、なるよ」

「直ぐは、ムリかもだけど」

「マミ、二人で一歩づつ、歩いて行こう」

マミ「うん」

信之「遅くなっちゃったね、送るよ」

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