《MUMEI》 「──アゲハ君」 「どうかしたか」 「私達って、また生まれ変わったりするのかな」 「‥?」 「今は私、サクヤだけど──来世ではまた別の人になってたりするのかな」 「──輪廻転生‥」 「ぇ」 「生きとし生ける者は皆、生まれ変わると‥いつか祖父が言っていた」 「じゃあ、未来ではまた別な人間として出会うかも知れないよね、あたし達♪」 ミドリが、楽しそうに笑った。 「あたしは誰になってるんだろな──」 「ミドリ、楽しそうだね」 「楽しいじゃん♪」 「楽天家だな、君は‥」 「人生楽しまなきゃ損だよ?」 「君に説教をされる覚えは無いな」 「──あの‥アゲハ君」 「何だ」 「もう少し、この桜──見ててもいい?」 前へ |次へ |
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