《MUMEI》
発砲事件
「そんなっ!それじゃ…」「あぁ、ただ犯人が判っただけで、事件の真相は解らず終い。永遠迷宮入りだろうな…」
加奈子はガックリと肩を落とした。
迷宮入りだなんて…
せめて真相喋ってから死にやがれ〜!
暴走する好奇心に不謹慎だとは思うが、多分国民の殆どが加奈子と同じ思いを抱いているのではないだろうか。
「まぁ、今はその事より、もっと別のニュースが騒がれるだろうな。」
「もっと別の?」
他に面白いものがあったのかと尋ねる。
「いや、面白いかはわかんないけどさ…」
修二は妙に興味津々な加奈子に、少し引きぎみになって話す。
「自殺とはいえ、警察署内で発砲事件。これをマスコミ達が黙っているとは、到底思えない。」
「…だよね。」
確かに。警察の信頼性を疑われる。
「きっと今頃、ニュースはそっちに注目されてるだろうよ。」
修二に言われて、アパートに着くとすぐに加奈子はテレビの電源を入れた。
チャンネルをニュース番組に切り替えと、やはり言っていた通りの内容が報道されていた。
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